店内にヘッドを並べた棚があるのですが、お客様はヘッドだけを手に取って、「ヘッドはこんなに重たいのや~」と言われる事が度々あります。また、シャフトだけを持って、「こんなに軽いのや~」とも言います。
よく考えてみれば、一般のゴルファーがヘッドやシャフトを単体で手にする機会はほとんど無いはずです。ヘッドを手にした事はあっても、どのくらいの重量があるかを知っている方は少ないのでは・・・?
ヘッドの重量は、ドライバーが平均195gで、スプーン、バフィー、クリーク、ロングアイアン、ミドル、ショート、SWと長さが短くなるクラブになるに従って、ヘッドの重量は重たくなります。当然、SWが最も重たくなります。
プロモデルやプロ使用などといわれるドライバーヘッドの重量は、205g以上ある様な重たい物が多いようです。
ここで、ドライバーのヘッド重量と飛距離について考えてみました。
飛ぶドライバーの条件にボール初速が大きく左右します。
物理学の飛距離の計算で、飛距離はボール初速の2乗に比例するので、空気抵抗などの条件がなければ、ボール初速を速くすればするほど、ボールは遠くに飛ぶはずです! その初速を速くするには、ヘッドの運動量を大きくすればよいのです。
運動量とは、運動している物体の勢いで、運動量=物体の質量(m)×物体の速度(v)という式で計算できます。つまり、ヘッドの重量が重く、ヘッドスピードが速いほど飛ぶという事がわかります。
しかし、ヘッド重量が重た過ぎると、ヘッドスピードは遅くなり距離は落ちます。ヘッドスピードが落ちない範囲で、ヘッド重量を重たくすれば、飛距離は伸びるはずなのですが、ヘッド重量を重たくする事と、ヘッドスピードを速くする事を同時にする事には無理が出てくるのです。
ボール初速を速くする他の方法は、ヘッドスピードを速くする事ですが・・・。
ヘッドスピードは、シャフトを長く、軽くすれば速くなります。数年前に長尺が流行し、数社のメーカーが48インチを販売したのも、ヘッドスピードが速くなり、距離が伸びるといった理由からでした。しかし、48インチを実際に使った事がある方は少なく、今では見る事もなくなりました。
物理的には正しく、ヘッドスピードは速くなり、距離も出るはずですが・・・?
ヘッド重量を重たくする事も、ヘッドスピードを速くする事も出来ないのであればと、「高反発ドライバー」といった、反発係数の大きい(初速が速い)ヘッドが流行しています。ゴルフボールの反発係数は0.6~0.9の間といわれており、最近では、「反発係数0.830」という数値が問題になっているようですが・・・?