リアルロフトの存在

 ロフトとはフェース面の傾きのことですが、基準の違いにより呼び方が2種類あります。シャフト軸線基準のリアルロフトと、ソール基準のオリジナルロフトがあります。当店ではアイアンはシャフト軸基準のリアルロフトで計測し、ウッドはリアル、オリジナルの両方で計測します。

 アイアンの場合、シャフトをつかみ、ヘッドを空中に浮かし溝(スコアライン)が地面と平行になった時の角度を計測しますが、写真(作業の風景)の機械はシャフトがいくら太くても、いくつ段(ステップ)があってもシャフトの軸線を地面と垂直に(トウ側から見て)できるので正確なロフトが計測できます。

 ウッドの場合はシャフトをつかみ、ヘッドを地面に着け前方から左右同じだけ隙間が開く様にした時(正しいライ角の時)を計るのですがその際ソールの形状(座り)があるためフェース面が真っ直ぐに向くとは限りません。右に向けばオープン、左に向けばクローズと呼ばれるフェース角が存在します。フェース角をゼロ(フェースを真っ直ぐ)にした時に計測した角度がリアルロフトになるのでフェース角が0度であればリアル=オリジナルということになります。

 フェース角がオープンかクローズの状態で計測した角度がオリジナルロフトになります。オープンフェースではオリジナルロフトよりリアルロフトの角度が少なく、クローズフェースではオリジナルロフトよりリアルロフトが多くなるのです。

 ロフト10度ソールに書いていてもフェースアングルによってはリアルロフトが10度とは限りません。クラブを構えヘッドを見て「つかまりそう。」「ひっかけそう。」「スライスしそう。」「チーピンでそう。」「いい顔してる。」などの表現はおそらく、フェースの向き(フェースアングル)を見て言っているのでしょう。

 このように、フェースアングルは見ただけである程度は判断できますが、リアルロフトは見ただけで判断するのは難しいので、機械で正確に計測するべきです。

 第3話にも共通した話になりましたが、それだけリアルロフト{シャフト軸基準でフェースの向きがターゲットに真っ直ぐ(フェースアングルが0度)の時の傾き}がアイアンはもちろん、ウッドクラブを選ぶ際に、特に重要なスペックになると考えているからです!