「許容範囲内です!」でスマシマスカ?

 アイアンセットの調整、計測をする場合に、無意識に癖みたいなもので、工房内の決まった場所の床にヘッドを置き、グリップ側を机に立てかけ、左に長い番手、右に短い番手と順にヘッドを綺麗に並べます。  

グリップエンドで比較 ものさしの様な物を当てて・・・
 
 その時に、グリップエンドを見て、番手間の長さを、ザット確認します。
 
 本来の長さの計測は、1本ずつ、インチスケールで計測します。
 
 先週のどう考えてもおかしいアイアンセットの場合も同じ様な事をしました。

 この時に、長さの確認の他に、ステップの位置も確認したりします。

 この段階で、思った事は、「これも、ロフト・ライ角はバラバラなのだろな~」でした。

 このお客様は、以前からの何かと調整させて頂いている方で、今回は、「衝動買いしてしまって・・・まだ、2ラウンド使っただけで・・・右に行きやすいから、つかまり良くしといて~」と言って、クラブを預けて帰られたのでした。

 「はい、出来たら連絡いたします~」と言ったものの・・・

スペック表 C社のアイアンセット(#4~PW)なのですが、ザッと確認(目視)した段階で、番手間のピッチが一定していませんでした。
 
 長さに疑問を感じながら、スペック表に数値を書き込む段階へと進み・・・
 
 ライ角度は、思った通り、フラット気味でした。
 
 バランスは多少のバラツキはあるものの、D-2前後に収まっていました。

 長さの計測は、メーカーの計測方と当店の計測方に違いがある事は考えられますが、当店のスペック表で見る長さにも、ザッと確認した時と同じ傾向が見られました。

揃えてみると 当店の長さの計測方は、ライ角度により変わります。
 
 フラットであれば、短く、アップライトであれば、長くなる計測方になります。
 
 ライ角度がバラバラのC社のアイアンの本来の長さは現状では、正確に計測できないという話になってしまうのですが・・・

 当店の計測した長さは、#4から、384/8、382/8、377/8、372/8、367/8、362/8

 356/8と、番手間ピッチが、半インチ(4/8インチ、0.5インチ)にはなっていなかったのでした。

 特に、4番と5番は2/8(0.25インチ)しか変わらず、ここは酷い!と思い・・・

 まだ、買ったばかりという事も聞いていたので、お客様に、「長さのある状態から調整しないと・・・、4番を伸ばす事は出来ないし、4番に合わせて5番以下を切るのも良くないし・・・?」と説明をしたところ、送り返す方向に話しが進み、当店から、販売店へ、販売店から、C社へとクラブは運ばれ、後に、販売店から、C社の計測データ表と回答がありました。

 お客様は、4番アイアンだけ、別売で後から購入されたようですが・・・

 そんな事は、関係ないはずです。

 C社は、4番アイアンは短いと認めたようでしたが、他は、「許容範囲内ですので、交換は出来ません!・・・。」との話でした。

 近々に、クラブが送り返されて来るのですが、中身が変わっているのでしょうか・・・?

 この様な商品は、C社に限っての事ではないのですが・・・。

 実は、この話の前に、C社のある商品に関しての疑問を、問い合わせたのでしたが、その時の、対応からも、「やはり、量産品をやっている大手メーカーは、こんなものか~」と感じさせる事があったのでした。