今回は、
4枚の写真をご覧頂き、
何故、
測定器と調整器が独立していなければならないかを考えてみてください!
・・・第102話の続きになります。
ヘッドが固定でき、ネックを曲げ、角度が変える事ができる物は調整器と呼ぶに値するでしょう。
バイス(万力)にヘッドを固定し、ネックが曲げる事が出来れば、バイス(万力)が調整器となります。
ベンディングマシーン、ロフト・ライマシーンなどと呼ばれている、「調整も測定も同時に簡単に出来ます!」と言った物の使い方は、
1. ヘッドを固定する。その際に溝(スコアライン)が地面と平行になるようにする。
2. 専用のバーで、ネックを動かす。
3. シャフトの端面に分度器をあて、測定する。
つまり、溝が地面と平行の時にシャフト端面の角度を測定するのです。
このような機材には、目盛りが付いています。
ヘッドが固定でき、ネックが動かせ、目盛りが付いているので、調整前と調整後に動いた角度は分かります。
一度ヘッドを固定してしまえば、ネックを動かし、シャフト端面が目標の数値になるまで、ヘッドを外す必要もなく、簡単で便利でよく出来た機材だとは思いたいのですが・・・?
ところが、実際に使ってみて、納得がいくものではないと考えました。
まず、溝(スコアーライン)とシャフト端面との角度を測定するので、シャフト軸線基準での角度は測定できないし、様々なパターンのシャフトに対応できない!
これも大いに問題ですが、
さらに問題(?)なのは、肝心の溝(スコアライン)の位置を確実に決定できず、その結果、調整後にスコアラインがズレてしまうのです。
ヘッドを固定する際に、溝を地面(土台)と平行にしたいのですが、ヘッドを上から押さえるため、微妙にズレますし、平行を確認するのは目視の機材もあり、最初の段階でズレてしまっている事も・・・?
仮に、確実に平行に固定出来たとしても、ネックをバーで動かす時の力で、ヘッドが滑り、溝がズレて平行ではなくなる場合も考えられます。
ズレに気が付かずに測定すると、ネックが動き、角度が変わったと勘違いし、測定する事も考えられます。
このような、ヘッドがズレたのか、ネックが曲がったのか判断できないものを使っていては、アイアン10本セットの調整を、安心してする事が出来ません!
調整器に目盛りが無ければ、調整は人の感覚になりますが、測定器があれば何の問題もありません!
さて、それでは機材が独立した機器があればどうなるのでしょうか?
調整器には、ヘッドが固定でき、ネックを動かす事ができるものがあれば、それで十分です。シャフト軸基準の測定器があれば、角度が動いたのか動いていなのかの判断は容易になり、勘違いも起こりません。
ただ、独立しているために調整器と測定器にクラブを順番にセットしなくてはならず、1本のクラブを調整するのに、調整器と測定器の間を数回往復することが生じます。
「0.5度、確かに変わりました!」と自信を持って言える機材が、私には必要だったのです。そして、これからもそうなのです。