角度調整時の傷は調整した証!

 先日、店主の知人の紹介で、Tさんが来店された時の話です。

 店主の知人は全くゴルフには興味もなく、ましてや、道具については全く分からない人間なのですが、友人(Tさん)に当店の話をしたところ、興味を持って頂けたようで、来店して下さる事になったのです。

調整したスペック表 いつものように、1セットを計測しました。
 (M社のブランドで統一されており、M社教だと感じました。)
 アイアンのロフト角、ライ角がバラバラで、ピッチが均等ではなかったので、説明し、調整を勧めたところ、「M社なのに、キッチリと出来ていないの・・・?」と不思議そうな顔をされていました。

 本人はロフト角、ライ角のバラツキが気になった事は無かったらしいのですが、バラバラの状態では使いたくないとの事で、第一段階として、角度の調整だけをする事になったのです。

 数日後、調整を終え、引き取りに来て頂き、調整後のスペック表とアイアンセットを渡した時、調整したアイアンとスペック表を見ながら、「角度を変える時に、ヘッドに傷(証)は付かないのですか?」とおっしゃったのです。

 角度調整の際に、最も気を付ける事は、いかに、ヘッドに傷を付けずに動かすのかという点なので、Tさんの言った言葉に少し驚きました。

調整中 ウッドヘッドやシャフトに傷を付ける事は、作業中の不注意で、あってはならない事なのですが、角度を変える作業は、ヘッドを固定し、ネックを曲げるので、材質が軟鉄であれば、どうしても(仕方なく)傷が付く事があるのです。
 Tさんのヘッドは、ほとんど無傷で調整できたので安心していたのですが・・・。

 単に、調整前と調整後の数値の違いを書いた紙だけでは、確かに、鉄が動いたかどうかは証明出来ないのかもしれません。

 シャフトの差し替えや、グリップ交換のような作業と違い、0.5度や1.0度の角度の違いが誰でも、目で見て分るものでは無いのかもしれません。

 最後に「確かに、調整していますので、信じて使ってください!」と言って終わりました。

 Tさんは、以前、金属関係の仕事をなさっていたそうです。

 Tさんの言葉は、何故か?嬉しかったのでした!