流石(さすが)は・・・?

 前話で書いた、画期的なドライバーとは、ヘッドの重心位置を自分自身で変える事ができるヘッドの装着されたクラブのことです。

 テレビ、雑誌などで、大きく取り上げられ、宣伝されています。

 その仕組みとは、私が説明する事もないとも思うのですが、簡単には、下記のようです。

 ヘッドソール部の4箇所に、着脱可能な重量ネジ(10g×2個、2g×2個)が設けられ、これらを組み替える事で、6パターンの弾道が得られる。

 発売がまだのようなので、未だ、現物を見た事もなければ、バラした事もないので、定かではありませんが、一般的なチタン素材のドライバーのヘッド重量は平均が195gなので、4個の重量ネジのない状態のヘッド重量は195g-24g=171gで、約171gという事が推測できます。

 ヘッド体積は400cm3、あるようです。

 このサイズで171gだとすると、相当な薄肉で造らなければならず、かなり苦労して出来たのだと思われます。

 171gのヘッド重量では、超長尺(48インチなど)で造らなければ、バランスがでないので、あまり存在しないでしょうが・・・

 もしも、171gのヘッドと24gの鉛が用意できれば、何十通りのパターンの弾道を得る事ができるでしょうか・・・?

 しかし、24gの鉛をソールに貼ったのでは、消費者が購入するとも考えられず、当然、売り物にはなり得ません。

 「オシャレに、チューニングを・・・。」と謳っているだけあって、重量ネジの着脱も、ゴルフシューズの鋲を取り替えるように、レンチを用い、スムースで、着後の見た目も綺麗に格好良くなるように造られているようです。

 そこは、さすが、大手メーカー!といったところでしょうか。

 今年から、契約プロも使用するようです。

 これを、一般ゴルファーの多くの方々が手にする事は間違いないでしょう。

 練習場やコースで、レンチを片手に、自分に合ったヘッドの重心位置を探し、理想の弾道を探す光景を見る事になりそうです。

 当店に出入りされている方で、ドライバーのシャフトを短くしたり、軽量シャフトにリシャフトしたりされた方には、ヘッドに鉛を貼った状態で渡したり、必要な鉛を手渡します。

 その際に、鉛の貼る位置により、重心が動き、弾道が変わり、何故、変わるのかの理由も説明します。

 そんな調整をされたお客様は、頻繁に、友人、知人から

 「重たそうなクラブだね・・・?」

 「何で、鉛を貼っているの・・・?」

 と良く質問をされるそうです。

 時には、「汚い!格好悪い!」と言われる事もあるでしょう。

 もうそんな事を言われたり、質問に答えたりする事をしなくても済むかもしれません・・・?

 少し・・・いや、かなり悔しいです。しかし、この画期的なドライバーが売れ、話題になることに、私は期待しています。私がここで発信し続けるよりも、チューニングを知らなかった・興味がなかった多くのゴルファーの方々に、より強くチューニングの大切さが伝わることでしょう・・・!