ここ最近、電話やメールで、「アイアンのアングル(角度)調整したいのですが・・・?」との、問い合わせが多くなってきました。
ほとんどの方は、調整しようと考えているヘッドが調整可能な素材である事を分かっておられての質問ですが、中には、調整可能なヘッドなのか?疑問を持ったまま、また、調整不可能なヘッドの存在を知らないで質問されるケースもあります。
調整不可能(動かない)ヘッドをお使いのB様がアイアンの調整依頼をされた場合・・・・
「アイアンのアングル調整したいのですが・・・?」
「どのようにでしょうか?」
「引っかかってしまうので、フラットにしようかと・・・? まず、スライスする事は無いのです。腕が悪いのは分っているのですが~」
「ちょっと構えてみてください。・・・わ~、これはアップライト過ぎますね! 計測するまでも無く、アップライトだと分かりますね~引っかかって当然だと思います。腕のせいではありませんよ!」
「良かった。では、調整してください!」
「調整したいのですが、このヘッドは調整できないと思われます・・・。中空構造になっており、初心者をターゲットにしたヘッドのサイズが大きいこのようなヘッドは軟鉄鍛造では製造し難く、ステンレスやチタンなどで鋳造される事が多くあります。 一応、メーカーに問い合わせてみます。○○社の××モデルですね。」
「すみません。御社の××モデルはアングル調整可能ですか・・・?」
「申し訳ありません!当社の××モデルは動きません!」
「全く動かないですか・・?」
「動かすと、折れてしまう可能性があります。」
「そうですか~分りました。」
(動かないのであれば、せめてピッチくらい揃えておいてもー・・・?)
「やはり、調整不可能でした。」
「残念です。この状態で使うことはしたくないし~どうすればよいでしょうか・・・?」
「計測してみても良いのですが、調整できないですし、おそらく番手間のアングルピッチも一定ではないと思われます。」
「計測しても、調整できないなら、このクラブは使えませんね?」
「このまま使い続けば、引っかけないようなスイングをしてしまい、結果として・・・・・・。」
「どうすればよいのでしょうか・・・?」
「シャフトが気に入っているのならヘッドを交換して頂くか・・・? シャフトも気に入らないようであれば、フルオーダーして頂くか・・・? 調整可能なヘッドのセットを探してきて頂くか・・・? 検討してみて下さい!」
メーカーが販売している動かない素材のアイアンヘッドのアイアンセットは、アップライトなモデルが多いようです。
チタン素材などの特殊金属を使い、ヘッドが大きく、「簡単!易しい!スライスしない!」と謳ったモデルが多く、間違ってもスライスが出ないようにするために、安易にライ角度を極端にアップライトにしたものが多いのです。
勿論、アップライトならライ角度が合っている方には良いのですが・・・・。
番手間のアングルピッチが一定であればの話しですが。
この文章を書いている10月5日(水)午後、お客様が来店されました。
持込まれたクラブは、異様にフラットなアイアンセットでした。
軟鉄鍛造ヘッドであったので良かったですが。