看板の「調整・修理」という文字だけを見て、始めて来店される方の7~8割のお客様の注文は、グリップ交換ではないかと思います。
その内の大半の方は、「グリップが減ってきたので換えて下さい!」と言うだけです。
「グリップの太さを調整して下さい!」とは言いません!
私から、何も言わなければ、「何でもいいよ・・・似たような物でいいよ~」となります。
持ち込みのクラブを拝見した時に、グリップ交換済みの物はよくあります。
自分でされる方も多いようですが、ショップで交換されたという物もあります。
グリップには、とても沢山の種類があるのです!
重量、材質(素材)、形、大きさ(太さ)・・・・・
グリップ交換をいい加減にしていると、他のスペックまでもがバラバラになってしまいます。
年末に来店された方の話です。
M社のアイアンセットの6番アイアンだけを持ってグリップ交換に来ました。
スイングバランスはD1.1でした。
「すみません!当店は、M社のグリップはないのですが・・・・?」
「じゃ~、握った感じの同じ様な物でいいよ~」となり、同じ様なコード入りのグリップを選ばれました。
選ばれたグリップは重量は52gでした。
いろいろ(1本だけでなく、全て交換するべきです・・・。)と説明させて頂いたのですが、とりあえず、交換をすることになりました。
グリップを剥ぎ取り、M社のコード入りグリップの重量を計測すると、47gでした。
グリップを切って、剥ぎ取った場合、下巻き用の両面テープは、グリップ側ではなく、シャフト側に残る事が多いのです。
今回の場合のシャフト側に残ったテープから、下巻き回数は縦に1回巻かれていた事が分かりました。
各メーカー、各クラフトマンにより、下巻きテープの巻き方、使用するテープの種類は様々なのです。
私の場合は、螺旋状に巻きます。
螺旋状の下巻き1回に使うテープの重さは、約1.5gあります。
(ちなみに、当店使用のテープで縦に1回に使う重さは1.3gでした。)
今回のお客様の場合、手が大きかったので、下巻き回数を3回、螺旋状に巻くことにしました。
交換前後の(グリップ+下巻きテープ)の重量の差は8gあった事になりますが、交換後、バランス計に乗せてみると、針は交換前と同じでD1.1を指したのでした。
クラブの長さにもよりますが、5~6gグリップ側(バット側)を重たくすると、バランスポイントが手元側になり、バランスは1ポイント下がる(小さくなる)という計算をします。
今回の場合は8gなので、1.5ポイント下がり、C-9.6前後の数値になるはずですが・・・?
何故D1.1になったのでしょうか・・・?
次話で、その謎に迫りたいと思います。