オークションで安かった!・・・?

 前話のT 社のアイアンセットはロフト角が、7番が33度、8番が38度、9番が40度でピッチが5度、2度でした。おかしいと思いネックに対してのシャフトの入り方を確認したところ、8番がやはり、ロフト角が大きくなる方向に入っており、通常(ネックに対して真っ直ぐ)であればロフト角は36度か37度になっていたと思われる様な物でした。

 シャフトは曲がっていなかったので、ネックの穴が真っ直ぐに開いないために、ズレたのでしょうか・・・?

 前話のC社のアイアンセットはロフト角が4番が24.0、度、5番が24.5度で、ピッチが0.5度しかなく、おかしいと思い、確認してみると、シャフトが弓なりに曲がっていました。この場合、ネックの穴は真っ直ぐに開いており、シャフトも真っ直ぐに挿せていたのですが、ロフトの起きる方向にシャフトが何らかの原因で曲がってしまったようでした。そのために、4番と5番の飛距離が変わらなかったようでした。

 前者のケースでは、ヘッドの創り自体に問題があったと思われ、後者は、購入された誰かが、シャフトを曲げてしまったと考えられます。

 (この様な欠陥が判明できたのも、当店がシャフト軸基準のロフト、ライ測定器を使用しているためです!

 C社のアイアンセットを持ち込まれたお客様の話では、インターネットオークションで低価格で購入し、シャフトが曲がっている事には、今まで気が付かなかったと言う事でした。

 早速、5番アイアンのシャフトを換える事になったのですが、問題が発生しました! シャフトはスチールで、当店でも良く扱う物なのですが、いつも扱っている物よりも少し太く感じ、シールに書いているシャフト名やフレックスも同じはずなのですが・・・疑問に思い、C社に問い合わせてみると、シャフトメーカーと共同開発?したシャフトらしく、C社オリジナル?でパーツとしては手に入らないとの答えでした。

 仕方なく、お客様自身がC社に出し、シャフト交換するしか方法がありませんでした。当方は、5番アイアン以外のロフト、ライ調整をさせて頂く事となったのです。

 結果、シャフトを換え、調整をしていると、安いと思って購入したつもりが、反って高くついてしまうのでは・・・?

 先日も、インターネットオークションでアイアンセット(8本)を購入され、計測に持ち込まれましたが、8本中、3本がシャフトの中で「シャラ、シャラ」と音がしていました。聞くと、「安かったから、しょうがないかな~」と言っておりました!

 ドライバーなどの単品物ならばリスクは少ない様ですが、アイアンセットはかなりのリスクがある様に感じます!

 欠陥(シャフトが曲がっている事や音がしている事など)があると分かっていながら、オークションに出品する人がいないとも限らないのではないでしょうか・・・?