先日、ドライバー数本と、抜いたシャフト数本と、ヘッド数個を持って、ドライバーで悩んでいると来店された方がいました。話を聞いてみると、暇さえあれば、ゴルフショップや中古ショップを覗き、安くて気に入ったものを買っては売り、工房でシャフトを何本も交換していたということでした。
まず、ドライバー数本のスペックを計測しました。それぞれが違ったスペックで、何の根拠も基準もなく、ただシャフトとヘッドを組み合わせただけに思えました。その内の1本が、メーカー純正のシャフトを他のシャフトに交換されたもので、シャフト交換したものの上手く打てないので、持ってきた他のシャフトを挿してみたいとのことで、とりあえず、ばらすことになりました。
この方はドライバーを短く使いたかったようで、リシャフトされていたクラブは元の長さより短く、44インチになっていました。
ヘッドに鉛を貼っていないのに、D-0のバランスになっていたのでシャフトが重たいのか、ヘッドが重たいのだろうと想像していたのですが、ヘッドの重量は195gで特に重たくも無く、シャフトが重たいのであろうと判断しました。ところが、ばらしたシャフトのチップ側からドリルでシャフトの先を貫通さそうとすると大量の粉鉛が出てきたのです。シャフトの先に粉鉛を入れ、コルク栓でつめをしていたのですが、ソケット(フェレル)の3インチくらい上まで粉鉛は入っていました。44インチでは、バランスがでないと言われたので調整?してもらったとの事でした。
カーボンシャフトの先端の内径は、スチールの先端の内径に比べるとかなり小さくなっており、シャフトの先端に粉鉛を入れると、少量でもソケット(フェレル)の上まで詰まってしまいます。(カーボンシャフトの先端の内径は重量の重たいシャフトほど小さくなっています。)
シャフトの中に粉鉛を入れるということは、当然、ヘッド自体に鉛を貼って調整するよりも、大量の鉛が必要になってきますし、シャフトのしなり方にも影響があるだろうし、シャフト内での音なりの原因にもなりますし、リシャフトの際の作業も面倒にもなりますし、メリットは見た目がきれいに仕上がる事くらいではないでしょうか・・・?
以前にも同じ様なことが多々ありました。
最近、ドライバーの長さを短くして、使いたい方が多くなってきたようです。現状より短くするのであれば、シャフト自体の重量を重たくすれば、鉛の量も少量ですみます。それでもバランスがでないのであれば、シャフトの中に入れるのではなく、ヘッドに貼って調整したほうが懸命でしょう!
中には、あらかじめ、軽めのバランスで仕上げておいて、常に5~6g程度の鉛をヘッドの様々な位置に貼りながら球筋を決めていくという方もおられます。
バランス計の数値は同じでも、鉛調整している位置が違えば、クラブの性能も違ってくるのです。