グリップの話。

小さな誤差が積み重なると!?アイアンセット3~SWに装着するグリップを、10本仕入れる場合のこと。
同じグリップを「10本」仕入れて重さを計測すると、10本とも、違います。(当店での計測の場合です)
カタログに50gと記載されていても、10本が50.0gという事は、まずありません。
47.3gもあれば、52.8gもあります。
場合によっては、52g台の物ばかりや47g台の物ばかりに偏ることもあるでしょう。
というのも、
グリップのカタログには「標準重量50g」とか、「重量50±3」という記載があるためです。
そのため、このような記載があるグリップを仕入れて偏りの問題が生じたとしても、仕入れ先に文句は言えません!

では、出来るだけ同じものを仕入れたいときは? どうしたらいいのでしょうか。
「48g台の物ばかりを、10本お願いします~」とか、
「50gの±0,5でお願いします!」と、
細かいですが丁寧にお願いすることで、聞き入れてくれるありがたい仕入れ先があります。
勿論、メーカーによってグリップ交差が±3や±2のところもあり、何も言わなくても50g±1の範囲で揃うような、とても信頼性の高い優秀なグリップメーカーもあります。
「たかだか3g?4g? ここの店主は小さいことにグダグダ言うなぁ!」と、感じられる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、重量が3gも4gも違えば、クラブに仕上がった状態の、重量ピッチは勿論、スイングバランスやグリップの太さにも影響が出ることがあります。
3Iに48g、4Iに52gのグリップを挿せば、重量ピッチは広がり、3Iは4Iよりスイングバランスが大きくなり、3Iは4Iよりもグリップが少し細く感じたりもするのです。

3Iの下巻テープを1回多く巻けば、1回の下巻テープ分の約1.5g重くなる計算なので、外見は上手くできるでしょうが・・・?
同じバット径のシャフトにテープの巻き数で太さを調整したくもないし・・・
セットによっては、ウエッジ専用シャフトを使う場合などで、PwとAwでシャフトのバット径やグリップ装着部分の太さが異なる場合は、太さを合わすために巻き数を多く巻いたり、少なく巻いたりする場合もあります。
Awのシャフトのグリップ装着部分の特に下側(ヘッド側)が細い場合は、その部分だけ、2回多く巻いたりすることも、あります。
お客様によっては、ウエッジは細めの方が好みという方には同じ巻き数にしたり・・・。

アイアン以外のクラブのシャフトは、カーボンシャフトの方も多く、ドライバーのシャフトからSwのシャフトまで、グリップ装着部分が同じ形状でことは無く、全く同じにすることは皆無ですが・・・。

今回の話は、少々難しくなりました。
小さな単位の話ですが、グリップに無頓着であると、その小さな影響が積み重なって大きくやって来るのです。
同じようなことが、ヘッドやシャフトでも言えますが、それはまたの機会に・・・。

今回はバックラインに触れませんでしたが、バックライン有のグリップを装着した方が、バックラインが真っ直ぐ装着されていない事に気が付いていないことに驚かされることが多いです。
自身の使用中のクラブのグリップにバックラインが有るのか無いのかも・・・
バックラインという言葉をご存じない方は、こちらの記事をどうぞ。

バックラインはありましたか?(過去記事)

いろいろな場面で言われることだと思いますが、知識が無い・知らないと、騙されたり失敗したりすることがあります。
頭に記憶できる場所は有限かもしれませんが、知っているに越したことはないと思います。
ぜひ、よい知識も持ち歩いてみて下さい。