以前より、市販品のアイアンセットをばらして、組み直すと、ヘッドの性能が良くなると言ってきましたが、ばらして、組み直すとシャフトの性能も良くなるのです。
シャフトには1本1本向き(硬い向き、軟らかい向き)があります。スチール、カーボンに限らずシャフトの製法上で肉厚などの違いが生じ、向き(硬い向き、軟らかい向き)ができるのです。当店では、センターフレックス計を使用し、1本1本シャフトの向きを調べることができます。
センターフレックス計とは、シャフトの両端を固定(同じ高さに)し、中央を押し上げた状態にして、シャフト断面から見て360度方向に回すと、一番軟らかい方向が上を向き、止まるようにできています。また、デジタルインジケーターと言う装置で中央部分のシャフトの力(硬度)をキロで表示できるので、360度方向のどの方向がどれだけ硬いのかが計測できます。
ヘッドの重心はシャフト軸線上にはないために、クラブを振ると遠心力が働き、グリップ部分とヘッドの重心が一直線になろうとするために、ヘッドのトウ(先)が下がる方向に、シャフトがしなるトウ・ダウン現象が必ず起きるのです。(ヘッドの重心がシャフト軸線上にあれば、トウ・ダウン現象は起こりません。)
シャフトが軟らかく、長いほど大きくトウ・ダウンします。また、ヘッドの重心距離が長いほど大きくトウ・ダウンします。トウ・ダウンが大きいと、ヘッドがよりフラットな状態になるため、右に飛びやすくなります。
ヘッドに対してのシャフトの向き(挿す方向)でトウ・ダウンの強さに違いが出てきます。ヘッドに対してのシャフトの向き(挿す方向)はセットであれば、硬い方向なら硬い、軟らかい方向なら軟らかいで統一されているべきだと思うのですが、ばらしたシャフトをセンターフレックス計で、1本1本計測し、一番軟らかい(上向きに止まる)方向に印を付け、ばらす前の向きと比較してみると、ヘッドの対するシャフトの向きに統一性(同じ向きに挿している)があるのか、無いのかが判断できます。
市販品のシャフトは統一性が無く、バラバラの向きになっている場合が多いようです。
ヘッドに対してシャフトの向きが一定方向に挿されていなければ、トウ・ダウンの大きい、小さいで、スイング中のシャフトのしなり方に違いが出てしまい、結果的に、球筋に影響があるはずです。ばらして、組み直すと、ネックのウエイトの除去もでき、さらにシャフトの向きを合わす事もでき、クラブの性能は良くなるでしょう!