「軟鉄鍛造品は製造過程(研磨工程)で重量の調整ができるので、希望のヘッド重量が造れること。」が当店が軟鉄鍛造品をヘッドに使う理由と前話で書きました。 造れるといっても当店ではヘッドは製造できませんので、ヘッドの鍛造メーカーさんに注文して造って頂いています。その注文の際に、必要(希望)なヘッドの重量を計算し、注文すると、指定の重量で仕上げてもらえるのです。
ヘッド交換、オーダー製作の際にヘッドの重量が仕上がりに大きく影響します。使用グリップの重量、使用シャフトの重量、手の大きさに合った太さにするための下巻きテープの量、最適(希望)の長さを決めます。その時、理想(希望)のバランスに仕上げるためには何グラムのヘッドが必要かを計算します。グリップの重い軽い、シャフトの重い軽い、下巻きテープの巻き数の多い少ない、全長の長い短い、でバランスは大きく変わるのです。
基本的には、カーボンシャフト用、スチールシャフト用でヘッド重量に違いがあります。カーボン用は、スチール用に比べ約10グラム重く出来ています。
アイアンはロングからショートの番手間の長さは半インチ短くするのが通常ですが、半インチ短くなっても同じバランスになる様にするためには、半インチ短で6~7g重たいヘッドが必要になります。
番手 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | PW |
スチール用 | 240 | 247 | 254 | 261 | 268 | 275 | 282 | 289 |
カーボン用 | 250 | 257 | 264 | 271 | 278 | 285 | 292 | 299 |
カーボンシャフトをスチールシャフトに、スチールシャフトをカーボンシャフトにリシャフトすることは、通常はバランスが悪く(重すぎ、軽すぎ)なりできません。
最近は、軽量スチール(80g台~100g台)のシャフトが増え、今までのスチールシャフトでは重過ぎて打てなくなってきた方や、カーボンシャフトに変えたが、軽過ぎて逆に打てなくなった方などが、軽量スチールを選択されるケースが多くなりました。
軽量スチールシャフトには、カーボン用ではバランスが重すぎ、スチール用ではバランスが軽すぎて使えないことがあります。このような時、スチール用とカーボン用の中間のヘッド重量(3Iで245gから番手間は7gピッチ)を鍛造メーカーに発注すると、必要な重量のヘッドが手に入り、希望のバランスに仕上げることが出来るのです。
始めから造るので、出来上がるまでに3、4週間を要し、時間がかかります。しかし、合わない重量のヘッドを無理矢理(使えない重量のヘッドと分かっていて)使用したのでは、出来上がった物(クラブ)は、どこかがおかしな事になってしまうのです!