測定、調整の為にバッグでクラブ一式を預かる事が多く、多い時は3~5バッグが店内に置かれています。順次、測定していくのですが、中身の確認も兼ね、バッグのファスナーを開けクラブを見ます。
クラブのロフト角、ライ角、バランスなどの数値のトータルバランスの良し悪しは、見ただけでは判断しかね、測定後にスペック表で確認します。
ですが、グリップの良し悪しはバッグから出し、見ただけでも判断できます。
アイアンはコードタイプ、ドライバーはラバータイプ、3wはラバータイプだがアイアンとはメーカーが違う・・・。といったように。
さらに、握れば、太さ、向き、バックライン有、無・・・と、様々です。パターを除いたクラブのグリップが統一された物には、めったに出会いません!
「このヘッドは調整出来ないな~」「シャフトの種類が違うな~」などを感じながら、クラブを引っ張り出し、最後にグリップを見て、感じる事は、前話(第107話)に登場のMDさんと同じです!
グリップを統一する、しないは、ゴルファー個人のクラブ(道具)に対する意識の違いでしょうか・・・? それとも、知識のある、なし、なのでしょうか・・・?
稀ですが?ドライバーからSWまでが全く同じ素材で同じ太さ、向きにささっているクラブセットに出会うと、クラブを大切に考えておられる方だと想像してしまいます。グリップが全て揃っているからといって、ヘッドやシャフトの数値(スペック)が揃っているとは限りませんし、グリップだけが揃っていても、他の部分がバラバラなら意味が無いというのは事実ですが・・・
「揃えよう!」といった考え、気持ちが大切だと考えます。
当店で調整、オーダー頂いている方々は、グリップの大切さを理解され、グリップの種類、向き、太さなどにこだわりを持ち、クラブを大切に考え、グリップが揃っていて当然と思って頂けているようです。
この方々のように、グリップの大切さを知ってしまったゴルファーであれば、何時でも、何処でも、愛用のグリップに触れていたいと思うのでしょう。
しかし、仕事もあり、クラブを握る時間には、限りがあるようです。
グリップにこだわりを持ったお客様に、不要になったスチールシャフトのアイアンクラブを短くカットしたものに、愛用のグリップを全く同じ状態に装着したショートクラブを作ってプレゼントしたところ、喜んで使って頂けたこともあります。これの使用法は特にありませんが、自宅でテレビを見ながら・・・出張のお供に・・・チョットしたリラックスタイムに・・・?
コースでは決して用いる事の無い、15本目のショートクラブ。それはいつも、あなたに14本の手触りを与えてくれます。