アイアンからドライバーまで製作させて頂いた多くのお客様とは、その後、年に数回ていどの微調整やグリップ交換などで、お会いしております。
それまでの間は、他のご用件でご来店して頂けなければ、ほとんどお顔を見ながらお話しすることはありません。
ご来店が無いという事は、製作させて頂いたクラブは「調子が良い!」・・・?のではと考えるしかなく、店主としては完全に受け身な状態です。
店主が、練習場やプレイ中のコースに押しかけ、「クラブの調子はいかがですか!?」とも言えず・・・。
全てのお客様にとって、一度の製作で「調子が良い!」のは理想です。
しかし、一度のことで理想が実現するのは、難しいのが現実です・・・。
時には、久し振りにご来店されたと思ったら、「ゴルフを続けられなくなったので、せっかく作ってもらったクラブなのだけれども、引き取って欲しい。」とのお話が・・・。
オーダーしたにも関わらず、結果が出ず、クラブを換えてしまった方もいらっしゃるでしょうね!
先週、2年前くらい前にフルセットを製作して頂いた方が、グリップ交換にご来店になりました。
これまでも、ちょくちょくとお会いしてクラブの話をしていましたし、お客様自身が上手くなろうと、練習し、トレーニングやレッスンに通い、ゴルフに真摯に打ち込んでいらっしゃいました。
ところが、もう、かれこれこれ5,6年はアプローチイップス状態ということで・・・。
どのように工夫をしても上手く行かないという事なので、試しに店内で打ってもらったところ、確かに上手くいかない!!? 現実がありました。
「いや、これは何かが間違っている??」と思い、細かく診ていると・・・、お客様のグリップの握り方に違和感を覚えました。
お客様のグリップを持つ手に、力が全く入っておらず、ゆるゆるな状態だったのです!
「グリップって、力入れたらあかんのやろ~?」と教わったとのことで、そのような状態を、5年も6年も続けていらっしゃったことがわかりました。
次に日、またまた、アプローチイップスに悩んでおられた方にお会いしました。
昨日と同じようにグリップを診たら、やはり、違和感が・・・!
お客様の握り方をじっくりと診て、それを変えてもらうと、その場ですぐに変化がありました。
このお客様は、10年以上もご自身に合わない握り方でアプローチに悩まされながらも、ハンデーキャップ5に到達された方です。
これまでは、「右手は握ったらあかん!」と教わったとのことでした。
(注:グリップの握り方は、その方に合った握り方があるため、誰にでも同じ握り方を強要できるようなものではないのです!)
当店で製作させて頂いたお客様の中にも、なかなか上手くならないという方がいらっしゃいます。
お客様のグリップの握り方を含めた、スイングに問題が存在することも、あります。
「スイングに間違いがなければ、結果の出るクラブに仕上げました!!」と、店主はお話しをさせて頂いておりますが、これは無責任なのでしょうか?
もちろん、何事にも慢心した気持ちで仕事をしてはならないと、常に気を引き締めての上です。
以前、お世話になっている先輩から、「あなたの作ったクラブには間違いないと感じている。だからこそ、あなたは、そのクラブの使い方も教えてあげなければ、もったいないぞ!!」的なことを諭すように言われたことを思い出しました。
クラブの使い方を、店主がお客様に教える・・・???
私に出来るかどうか?、新たな難題を呼び起こしてしまった気持ちでいる、今週の店主でした。