鉛テープを使った調整方法は沢山あります。
この仕事をしていると、ほぼ毎日、鉛テープは使います。
鉛テープを使えば、クラブの性能を変え、さらに、スイングを変える事も出来るのです!
しかし、見える所に鉛を貼る事を嫌う方が多いようです。
持ち込みのクラブを分解(ばらす)してみると、ヘッドやシャフトに何も貼っておらず、バランスがそれなりに合っているクラブに限って、シャフト先端から、真鍮バランサーや鉛棒、粉鉛とコルク栓などなどが出てくる事も少なくありません!(当たり前の話?かもしれませんが・・・)
ヘッドに鉛テープを貼っての調整は、見た目が悪く、シャフト内(見えない所)での調整を希望される方が多いようですが、性能をダウンさせてしまう事になると考えますので、お勧めしていません。
クラブヘッドに鉛テープを貼る事で、様々な数値が変わり、正しい貼る位置を知っていれば、性能のアップが望めるのです。
ここで、質問です!
ヘッドに鉛テープを貼っていない状態では、ボールのつかまりが悪く、右に飛び出しやすい症状(スライスを止めたい)を、鉛テープを使って症状を軽減するには、A,Bどちらが正しい位置でしょうか・・・?
A写真 | B写真 |
ヘッドに鉛テープを貼る事により、重心位置(G)を変え、球筋を変える事が出来ます。
重心位置が変わるということは、重心角(重心アングル)が変わります。
重心角の大きい、小さいで球筋が変わります。
写真の状態で、フェース面が上を向くほど重心角は大きいという事です。
重心角(重心アングル)とは、「シャフト軸線とヘッドの重心位置(G)を結んだ面と、フェース面との間に出来る角度のこと。」で、重心角の数値が大きいと球は左に飛びやすいといわれており、つかまりが良いといわれているヘッドで、数値が25~30度はあるでしょう。 逆に、数値が小さ過ぎる(15度以下)ヘッドはつかまりが悪く、フックフェースで見た目につかまりそうでも、使い物にならないヘッドもあります。 |
Aの位置に貼ると、重心角は大きくなりますので、正解はAです。
Bの位置に貼ると、重心角は小さくなり、重心距離も長くなり、トウ・ダウンも起こりやすく、さらにスライスが大きくなり、症状は良くならないでしょう。
(注意:実際には重心位置が変わると、重心角の他に、重心深度、重心距離、重心高さが変わりますし、クラブ全体で考えると、スイングバランス、総重量、振動数も変わりますので、鉛テープを貼るだけでは、球筋を変える事はできないケースもあります。)
見た目が気になる方は、ホットメルトアップリケーターで、ヘッドの中にジェルを注入し、重心位置を変える事も出来ます。