シャフトの材質は、スチールとカーボンが良く知られています。
ヒッコリー(木製)、アルミ、チタンといった材質が使われていた事もあったようですが・・・現在のアイアンクラブに使われているシャフトは、スチールかカーボンのどちらかと言って良いでしょう。
数年前までは、シャフトの使用材質によって、ヘッド重量がハッキリと分けられていました。スチールシャフト使用の場合のスチール用、カーボンシャフト使用の場合のカーボン用、といったように・・・
アイアンセット(4I~PW)7本をスチールシャフトで作る場合は、スチール用のヘッドが必要になりました。
4番アイアンで247g前後、番手間のピッチが7gとし、PWで289g前後の重量のヘッドが必要となりました。
カーボン用のヘッドはスチール用より各番手10g重たい物を使用する(使用しなければならない)と言われていました。
このような事は、業界に居れば、知っていて当然の知識なのでしょうが・・・
先日、カーボンシャフト(68g表示)装着の某国産大手メーカーのアイアンをお使いのある方が、言いました、
「スチールシャフトにシャフトを交換したいんだけど、ダメみたいですね~」
何故ですか・・・? 誰が言ったのですか・・・? の質問に、
「練習場内のプロショップの店員さんが・・・」
なんと言っていましたか・・・? の質問に、
「カーボン用のヘッドが着いているので、
スチールシャフトに交換すると、
バランスが軽くなるからできないし・・・
(※注意、正しくは、重くなるから・・・)
もうこのクラブは今時のクラブではないし・・・
最近は、もっと良いクラブがありますし・・・
買い換えた方がよいのでは・・・」
と言われました!と・・・
「カーボン用とスチール用はヘッド重量が違うので、カーボンからスチールへのシャフト交換はできない!」
と、ショップ店員に言われると、ほとんどのアマチュアゴルファーは、「違うんだ~知らなかった~」と納得してしまうようです。
しかし、特に最近は、カーボンシャフトとスチールシャフトの重量が同じ物もあれば、スチールシャフトでもカーボンシャフトよりも軽い物もあります。
スチールと言えば、120gの重量が当たり前で、カーボンはスチールの重量よりも明らかに軽い物しかなかった、数年前とは違うのです!
カーボン用のヘッドでも、軽量シャフトへのシャフト交換であれば、可能な場合はあります。
このお客様の場合は、85gの軽量シャフトへのリシャフトを希望されていました。
お持ちのクラブは、長さも少し長めであり、ネックでバランス調整をしているであろうし、ヘッド重量には問題ないと判断した為、バラしました。
バラしたヘッドの重量は、
クラブ | ヘッドの重量 |
4番 | 250.1g |
5番 | 256.1g |
6番 | 261.8g |
7番 | 271.0g |
8番 | 276.3g |
9番 | 282.0g |
PW | 296.0g |
でした。
スチール用とカーボン用の中間の重量で、軽量シャフトには丁度良い重量でありました。
長さ、バランスの出し方、グリップの重さや下巻の回数などで、何グラムのシャフトに何グラムのヘッドを使用するかは、ハッキリとした決まりはありませんが、無理な作業では無いと判断し、作業に掛かりました。
既製品のカーボンシャフトが装着されたクラブでも、ヘッドがカーボン用の重量があるとは言い切れないのです!