改造はなくならないのか?

ある大型ゴルフ店が「工房の時代がやって来た!」と、また、あるパーツメーカーが「DO IT YOUR SELF! リシャフトは意外と簡単!」と、それぞれの考え方を述べている記事が載った雑誌がありました。 

この雑誌の表紙には、「シャフトを極めろ」と書いてありました。

他のページにも、シャフトに関する情報が山ほどありました。

「フィッティング」、「リシャフト」、「カスタム」と言った文字が目に付きます。

複雑な気持ちになりました。

何故か、それは、カーボンシャフトをヘッドから抜き、カーボンシャフトをヘッドに接着する事が、ゴルフ工房で行なわれている主な作業であり、カーボンシャフトの抜き挿しをするのが、ゴルフ工房の仕事である!!といった印象を受けたからですが・・・

そんな気持ちになった、数日後、ある新聞の記事を見ることになりました。

「リユース品」の危険性についてです。

リユース品とは、「クラブマニアがクラブを購入した後、好みのシャフトに付け替える。

この時標準装着のシャフトは一度抜かれるが、そのクラブを手放す際、標準シャフトを装着し直した商品。」である。                                                             

ゴルフクラブの中には、SGマーク製品もあります。

SGマークとは・・・製品安全協会が様々な生活用品に安全基準を設け、合格した商品に認証したもの。

SGマーク商品で人身事故を起こした場合には、補償が受けられるが、SGマークがあってもリユース商品には適応されないようです。(個人で保険に入っておくのが良いでしょう。)

中古ショップに売る時に、メーカー標準シャフトでなければ、買い取り価格が安くなってしまうので、標準シャフトに戻して、改造していないように装う事が当たり前になっているようです。

インターネットでの販売に関しても、同じ事が言えるでしょう。

当店でも、リユース品を作ってしまっている事も事実です。

カーボンシャフトを抜く際には、加熱する為に、シャフトに少なからず熱が加わります。

その熱で、シャフトの素材、構造が変化してしまう事も考えられます。

また、シャフトを抜く際には、シャフト抜き機で、シャフトの先端部分の数センチを固定する為に、目には見えないですが、繊維を破壊させてしまっている事も考えられます。

リユース品に限らず、何回か抜き挿しされたカーボンシャフトが破損し、人身事故を起こすことも考えられます。

今やゴルフクラブは、新品、中古品、リユース品、改造品と様々です。

「ゴルフクラブ市場は、めちゃくちゃや!!」

とぼやきたくなった、先日、あるメーカーのドライバーが持ち込まれました。

現シャフトを抜き、新品のシャフトを挿す事に・・・

しかし、ネック部分が複雑な構造で、熱を加えることは避けたいヘッドであったので、メーカーに確認したところ、「熱は加える事は避けてください!」との事でした。

ヘッドを生かすには、シャフトを切断する他ありません。

シャフトを切断し、ヘッドが生きました。

新品のシャフトを慎重に決めなければなりません。

なぜならば、失敗は許されないからです。

ヘッドに熱を加える事が出来ないと言う事は、ヘッドにシャフトを挿せば、再びシャフトを抜く事は出来ないからです。

この作業をしていて思いました。

これが、本来なのではないのか・・・?

シャフトを切断しなければならないとなれば、めちゃくちゃなゴルフクラブ市場も変わるのではないか・・・?

また、作る側も売る側も買う側も、クラブを大切に考えるはずではないのか・・・?

カーボンシャフトを抜き挿しする技術があれば、ゴルフ工房は開業できる!

という流れであるのであれば、HONESTは、ゴルフ工房から変わろうと考えるのです。