聞きなれない言葉?フェースプログレッション

 「グース○○○」や「ストレート○○○」と言うと「ネック」と言う言葉がすぐに連想出来るでしょう。

 グースネックとは、ガチョウの首のように曲がった状態のネックの事を言い、曲がりの度合いによって、「セミグースネック」などと言われますが、どの状態がゼロで、どの状態が2mmのグース?といった数値では表現できないのです。また、似たような言葉で「オフセット」という言葉があります。

 「グース」、「ストレート」、「オフセット」などは、いずれもヘッドの形状を表現する言葉で「このヘッドはグースがつきすぎて、構え難い!」「このウェッジはストレートだから、開き易い!」「このヘッドはオフセットが少なく、ストレートに近い!」などの表現で使っています。

 オフセットとは、ホーゼルの外側とリーディングエッジの距離で、NOオフセットとは、ホーゼルの外側とリーディングエッジが直線上にあることで、オフセットがある場合に、その度合いによって、グースが強い、弱いと表現されますが、ホーゼルには、太さがあったり、テーパーになっていたりと、基準が曖昧なので、数値化しにくいのです。

 ネックの状態を数値化するのであれば、やはり、フェースプログレッション(以下FP)でしょう。雑誌やカタログには、ロフト、ライ、ソール角の数値と同じく、FP値を載せてある場合も多くなってきているので、聞いた事がある方もおられるでしょう。

 フェースプログレッションとは、シャフト軸線とリーディングエッジとの距離の事で、単位はmm(ミリメートル)です。シャフト軸線とリーディングエッジが一致するのが、FP値0mmで、リーディングエッジが後ろにある場合はマイナス(-)で現します。

 FP 値0mmをストレートネックやNOオフセット勘違いしている方が多いようですが、FP値が0mmとは、シャフト軸線とリーディングエッジが一直線上にあることになるので、相当なグースです。FP値はシャフト軸線基準なので、ホーゼルが太くても、細くても、テーパーがあろうが、無かろうが、関係なく、リーディングエッジとの距離が数値化できるのです。

 第35話で書いた、「ソール角」とフェースプログレッションとロフト、ライは全て、シャフト軸線基準だからこそ正確に計測できるのです!

 最近、流行?の海外ブランドの出っ歯型と言われているもので、FP値は7mm前後、「強めのグースで捕まり易い!」などといわれるアイアンで、FP値は0~1mmもしくは、マイナスでしょうか・・・?

 今後、ヘッドを構えた際に、フェースプログレッションが何ミリ?と考えて構えてみては・・・。

 アイアンヘッドのアングル調整で、ロフト角を変えると、ソール角が変わり、FP値も変わります。ロフト角を少なくすれば、ソール角も少なくなり、FP値も少なくなり、ロフト角を多くすれば、ソール角も多くなり、FP値も多くなるのです!

 リアルロフトが60度、FP値が7mm、バンス角が14度の使い難いロブウェッジを、リアルロフトを2~3度少ない、57~58度にする事で、自然と、 FP値も減り、バンス角も減り、構え易く、抜けも良くなり、低い球でコントロールでき、使いやすいウェッジになったりすることも・・・?

 ロフト角、ライ角、ソール角と同様にフェースプログレッション(FP)も重要なスペックのひとつです!